検索で補うことと、正しさを確かめること。
検索と生成を組み合わせる
RAGは、質問に関係する資料を取り出し、その情報を使って文章を生成する考え方です。Lewisらの研究は、モデルのパラメーターに蓄えられた情報と、外部の検索可能な情報を組み合わせました。学習済みモデルだけにすべての知識を持たせるのではなく、回答時に資料を参照する構造が特徴です。
資料は、見つかればよいのか
説明用に、社内の休暇規程を調べる場面を考えます。検索で見つかった文章が旧版だったり、別の雇用区分向けだったりすれば、文章自体が正しくても質問への根拠にはなりません。資料の版、適用範囲、更新日を追える設計が必要になります。この場面は架空の例であり、当サイトによる導入実績の紹介ではありません。
引用と主張の対応を見る
出典へのリンクがあるだけで、回答全体が裏づけられるとは限りません。回答のどの主張を、資料のどの箇所が支えているのかを読み比べます。資料にない推測や、例外条件を省いた言い換えが含まれていないかも確認します。取得した文書そのものに誤りがある可能性も残ります。
検索側と生成側を分けて点検する
本誌では、まず必要な資料を取得できたか、次に取得資料に沿って答えたかを分けて記録する読み方を提案します。回答が誤っていた場合に、検索の対象が足りなかったのか、文書の区切り方に問題があったのか、生成時に内容が変わったのかを整理しやすくなるためです。総合的な点数だけでは、修正すべき箇所が見えにくくなります。
公開前に決めたい境界
参照できる資料がないときには、その不足を伝える設計が考えられます。また、利用者が閲覧できない資料を検索結果や回答へ混ぜないことも重要です。RAGの採用は、情報の正確性や安全性の保証ではありません。用途に応じて、人が確認する範囲と、誤りを受け付ける連絡先まで決めておきましょう。
参照資料
以下の一次資料を参照した、本誌による解説です。引用先の研究機関や著者が、当サイトを推奨していることを意味しません。
- Lewisほか「Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks」(2020)
- NIST「Generative Artificial Intelligence Profile」(2024)
資料確認日:2026年10月28日。説明用の例と本誌の提案は、参照資料の実験結果と区別しています。
内容の訂正について
誤記や出典の問題がありましたら、該当箇所と確認できる資料を添えてお問い合わせください。